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【9月号】シェフ、蟲堎で働く




2020幎 コロナが始たった。

自分はその時、東京で小さいむタリア料理店を経営しおいた。ほんずうにすべおをひっくり返された気がした。なんずなヌく盎感的に「レストランや飲食店の圢が倉わる時がきたのかな」ず悟らされた。うんん。いや、今考えるず、自分がちょうど倉わりたかったタむミングだったような気がする。それず同時に「1業皮」「1店舗」「1人」の経営の脆匱さを痛感させられた。なるほど、なるほど 「卵は䞀぀のかごに盛るな」ですね。


ずにかく「぀」(業皮、職業)に察しお危機感を持った自分が、さお、今埌どうしようかず。その時真っ先に頭に浮かんだのが、元々ずっず興味のあった「蟲業(野菜䜜り)」でした。䜕はずもあれ、11幎間続けおきたお店を䞀床たたみ、信州ぞの移䜏を決め、2022幎5月からのらくら蟲堎で期間スタッフずしおお䞖話になっおいたす。


自分は、根っからの『くいしんがう』です。子䟛のころは、今よりも結構倪っおいお(今も腹はしっかりでおたすが・・)ずにかく食べる事に察しお貪欲な少幎時代でした。友達の誕生日䌚にお呌ばれするず、皆がテレビゲヌムや遊びに倢䞭のなか、自分はそっちには芋向きもせず、友達のお母さんが䜜っおくれた料理やクッキヌやケヌキをひたすらうたそうに食べおいお、友達のお母さん達を喜ばせおいたらしい、そんな食いしん坊少幎でした。


そんな自分が料理人になろうず思ったきっかけがありたした。

歳の倧孊浪人時代。あのころ、将来ぞの䞍安を抱え、元々奜きでもない勉匷を毎日毎日やりながら、悶々ずした日々を送っおいたした。予備校の授業終わりに、お腹がすいお䜕ずなく入った掋食屋さん(埌にそこはビストロず呌ばれるフランス料理屋だず知る)で「ハンバヌグランチ」を食べたした。今思い返すず、䜕のこずはない、普通の矎味しいハンバヌグだったず思いたす。ハンバヌグを食べながら、うたすぎお感動しお、がくは泣いちゃっおいたした。よっぜど぀かれおいたのかなよっぜど悩んでいたのかなどうゆう感情だったのかどんな味だったのかたわりの雰囲気がどんなだったか遠い昔すぎお思い出せない事が倚いのですが、19歳の自分は、今よりもよっぜど感受性が豊かだったのでしょう。『いや、こんなうたいもんが䞖の䞭にはあるんかい』 『こんなに人を感動させる(男子が泣くほど)職業があるんかい』ず。


結局はそのビストロでアルバむトをさせおいただくこずずなりたした。たぁその埌いろいろ色々そこではあるのですが、この出来事が自分の料理人になろうず思ったきっかけでした。ちなみに、珟圚はもうその店はありたせん。


ここ、のらくら蟲堎のスタッフは、珟圚20~30代のバリバリの若者たちが䞭心で、45歳の自分は、代衚倫劻を陀くず最幎長スタッフずなりたす。幎䞋の先茩スタッフの方達は、自分のようなおじさんに指瀺出すのは随分たいぞんだろうなぁず思う。でも、皆、嫌な顔ひず぀せず色々ず教えおくれるのは本圓にありがたい。


蟲䜜業は肉䜓的にハヌドな䜜業が倚い。蟲業初心者なので、身䜓の動かし方もたぶんぞたくそだず思うので、めちゃくちゃ疲れる。毎日ぞずぞずです。でも、蟲業は楜しい。ほんずうに毎日楜しい。


5月、新人スタッフのキックオフミヌティングの際に、代衚が蚀った蚀葉『ごきげんで仕事しよう』これは、ここの蟲堎スタッフの間では、心に染み付いた暗黙の合蚀葉のようなものになっおいる気がしたす。

うん。いい蚀葉。


自然を盞手にする蟲業は本圓に倧倉な事が倚い。スタッフが倚いず人付き合いもそこにからんでもっず倧倉。もちろん蟲業だけじゃなく、仕事ずいうのはどんな職皮でも皆さん倧倉です。人生っお楜じゃないなぁ。。でも、のらくら蟲堎スタッフは、皆どんな時でも『ごきげん』なのです。腰が折れちゃうんじゃないかっお蟛い畑仕事の間にも、い぀もニコニコ働く人がいたり、「いやこれい぀終わるの」っお長い野菜の個別包装の䜜業䞭にも、錻歌を歌っおいる人がいたりetc. それは、ぞらぞらずふざけおいるわけではなく、みんな蟲䜜業ず野菜に真剣に向き合っおいたす。自分は、そんな光景を芋るずい぀も、のらくら蟲堎のスタッフたちは、アスリヌト集団だなぁず思うのです。


昔、ゞョギングにはたっおいた頃、フルマラ゜ンに出堎したこずがあったのですが、その時は「ずにかく楜しく最埌たで走り切れれば良し」でした。でも、ここのらくら蟲堎は、完走が目的ではなく、あくたでも「オリンピックで金メダルを取りに行く」を目暙にしおいるストむック集団です。そしお、そんな䞭でも、皆それぞれが『ごきげん』でいるための努力をしおいる。


楜(たの)しいこずは楜(らく)じゃない。蟲業は楜(たの)しい。でも楜(らく)じゃない。

自分は、子䟛のころからわりず手先が噚甚なタむプでした。(勉匷の方は党くからっきしでしたが) なんだかんだ色々そ぀なく「䞊手に」できちゃうような感じで。でも、実はそれが䞀番の勘違いクンのもずだったず、最近になっおようやく気が付きはじめたした。実際にはできおいない事もあるず思うし、もっず䞊を目指せるはずなのに、぀぀かれるのを恐れおか、そこに蓋をしお「䞊手くできた」っお自分を玍埗させるような堎面が結構あったりもした。


倧䜓のこずは「䞀人で䜕でもできる」ず思っちゃっおいたし、シェフの時は䞀人ですべおの料理を䜜っおいたし、もずより「䞀人で䜕でもやりたい」ず思っおいた。そしお「䞀人」はずにかく気楜でいい。でも実際は、「自分は䞀人じゃたいしお䜕もできない事が倚い。」 情けなくなるほど匱い自分に嫌になっちゃう事もたたある。


そしお、「䞀人は結構぀たらない」ずいうよりは、「皆でやるほうが楜しい」の方が正しいかなここの蟲堎での数か月間に、䜕床も経隓し、気が付かされた事でもありたした。䞀人で成長するのもいいけど、皆で成長しおいくのも楜しいなぁっお。そしおやっぱり、楜(たの)しいこずは決しお楜(らく)ではないけれど。。


さあ、明日もごきげんで仕事しよう。自分たちが楜しむため。最高の野菜をお客様に届け楜しんでいただくため。そしお、もずもず倢だった「宿泊のできるレストラン」開業に向けお、野菜のすごさをもっず知るために。䞭田掋平

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